到達目標
1.ミクロな視点とマクロな視点から物質の性質を考察することができる。
2.物質の特性を理解するための視点として、統計力学の基本的な考え方を理解し、それらを用いて平均エネルギーなどのマクロな物理諸量を計算できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
物質の性質について、ミクロな視点とマクロな視点からの理解度 | 講義で扱った範囲の物質の性質について、ミクロな視点とマクロな視点から説明できている。 | 講義で扱った範囲の物質の性質について、限定的な視点から説明できている。 | 物質の性質を説明する際に、視点を定めることができず、説明も全くできていない。 |
統計力学の手法を用いたマクロな物理量についての計算力 | 講義で扱った範囲の統計力学の手法を用いてマクロな物理量を正確に計算できている。 | 講義で扱った範囲の統計力学の手法を用いてマクロな物理量を限定的に計算できている。 | 統計力学の手法を用いたマクロな物理量の計算が全くできていない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE C-1
説明
閉じる
学習目標 C-1
説明
閉じる
教育方法等
概要:
特異な物理概念や統計的手法を含めた、「物質」を取り扱うための物理学的視点について学習し、物性物理の立場から、「物質」の性質について理解・考察する能力を養う。
授業の進め方・方法:
講義とともに原則、授業毎に課題を実施する。適宜プリントで補足しながら説明する。講義は英語で行う。
注意点:
本科目は学修単位であるため、事前事後学習として課題を実施します。授業の進み方が速いことから、下記に注意すること。また、講義は英語で行うことにも注意すること。
事前学習: 本シラバス全体によく目を通した上で参考書等を用いて予習することにより、授業範囲の中の専門用語の意味およびその範囲の内容の概要を説明できるようにしておくこと。また、各専門用語の英語表現も予習しておくこと。
事後学習: 毎授業後に復習することにより、学習した内容を正しく理解し、期末試験に備えていくこと。原則、授業毎に理解を深めるための課題を出すので、次の授業の開始時に提出すること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション 物性物理の視点 |
物質の性質について、ミクロな視点とマクロな視点を区別できる。
|
2週 |
ミクロの世界1 (不確定性) |
不確定性原理を定性的に説明できる。
|
3週 |
ミクロの世界2 (量子井戸) |
量子井戸の中では、電子(正孔)のエネルギーが離散的になることを定性的に説明できる。
|
4週 |
ミクロの世界3 (トンネル効果) |
トンネル効果が起こる機構を定性的に説明できる。
|
5週 |
分子間力と気体・液体・固体 |
物質の三態間の状態変化について、分子間力とエネルギーの観点から説明できる。
|
6週 |
分布関数(Ⅰ) 分布関数の概念 |
固体中の自由電子や、気体・液体中の分子はすべて平均化された物理量を有しているわけではなく、実際はおのおのが異なった物理量を有しており、それらを統計的に扱う手法が分布関数であることを定性的に説明できる。
|
7週 |
分布関数(Ⅱ) マクスウェル-ボルツマンのエネルギー・速度分布則を用いたマクロ物理量の計算
|
マクスウェル-ボルツマンのエネルギー分布あるいは速度分布を用いて、古典理想気体について、種々のマクロな物理量について計算できる。
|
8週 |
量子統計・古典統計 |
マクスウェル-ボルツマン統計、フェルミ-ディラック統計、ボーズ-アインシュタイン統計を区別し、それぞれの統計に従う粒子を説明できる。
|
2ndQ |
9週 |
実在気体の状態方程式 |
理想気体と実在気体を区別し、実在気体の状態方程式のいくつかについて、その概要を説明できる。
|
10週 |
固体物性1 (金属・絶縁体・半導体の導電率) |
ミクロの構成要素である電子の属性から導電率等の巨視的な物理量を説明できる。
|
11週 |
固体物性2 (原子の結合と金属・絶縁体・半導体、エネルギーバンド図) |
金属・絶縁体・半導体ができる機構の概要を原子の結合論を用いて説明し、これらのエネルギーバンド図を描くことができる。
|
12週 |
固体物性3 (半導体の基本物性とその制御法) |
ドーピングによるキャリア濃度の制御法および半導体混晶によるバンドギャップエネルギーの制御法を説明できる。
|
13週 |
プラズマの基礎1(直流プラズマ) |
気体プラズマ状態について、その概要を説明できる。直流印加電圧による気体プラズマの生成法を説明できる。
|
14週 |
プラズマの基礎2(RFプラズマ) |
交流印加電圧による気体プラズマの生成法を説明できる。
|
15週 |
プラズマの基礎3(その他のプラズマ) |
特殊なものを含めて個々のプラズマについて概観し、プラズマについての見聞を拡げる。
|
16週 |
期末試験 |
期末試験
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 50 | 50 | 100 |