工業力学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工業力学
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 青木弘・木谷晋「工業力学(第3版・新装版)」(森北出版)
担当教員 佐伯 文浩

到達目標

学習目的:力学の基礎を理解し,より複雑な現象や工学的問題の解析に応用する能力を身に付ける。

到達目標:
1. 力の合成・分解・つりあい,モーメント,および物体の重心に関する基礎的な問題を解くことができる。
2. 位置・速度・加速度の関係について説明し,点の直線運動および平面運動に関する基礎的な問題を解くことができる。
3. 剛体の慣性モーメントおよび平面運動に関する基礎的な問題を解くことができる。

ルーブリック

不可
評価項目1任意の位置に作用する複数の力によるモーメントを計算できる。また,物体の重心位置が求まる過程を,モーメントを用いて説明できる。平行力の合成とつりあいに関する問題を解くことができる。また,単純形状物体を組み合わせた規則的な物体の重心位置を求めることができる。1点にはたらく力の合成,力の分解,力のモーメント,1点に働く力のつりあいに関する基礎的な問題を解くことができる。また,単純形状物体の重心位置がわかる。左記に達していない。
評価項目2加速度が一定でない運動について,位置・速度を求めることができる。また,直線運動を応用し,放物線運動における位置・速度を求めることができる。等加速度運動における位置・速度・加速度(等角加速度運動における角変位・角速度・角加速度)を求めることができる。直線運動および円運動における位置・速度・加速度の関係について説明できる。また,等速度運動における位置・速度(角変位・角速度)を求めることができる。左記に達していない。
評価項目3平行軸の定理・直交軸の定理の導出過程を説明できる。また,剛体の平面運動に関する方程式を解いて重心の加速度を求め,さらに,点の運動に関する知識を用いて重心の変位・速度を求めることができる。単純形状物体の任意の点を通る軸のまわりの慣性モーメントを求めることができる。また,剛体の平面運動の基礎方程式を立て,それを解いて重心の加速度を求めることができる。単純形状物体の重心を通る軸のまわりの慣性モーメントを求めることができる。また,角運動方程式を用いて剛体の回転運動に関する基礎的な問題を解くことができる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:運動と振動

必修・履修・履修選択・選択の別:必修

基礎となる学問分野:工学/機械工学/機械力学・制御

学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(2)エネルギーと流れ,材料と構造,運動と振動,設計と生産・管理,情報と計測・制御,機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し,工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自然科学の幅広い分野の知識を修得し,説明できること」である。本科目は大学相当の内容を含む科目で,技術教育プログラム履修認定に関連する。

授業の概要:本科目では,機械工学の基盤である力学を学ぶ。力の合成・つりあい,点の運動,剛体の運動などの基礎を,現実の現象と関連付けて理解することに重点を置く。
授業の進め方・方法:
授業の方法:授業は板書を中心に進める。力学の基礎を身に付け,具体的な問題への応用力を養うために,適宜,演習・レポートを課す。

成績評価方法:4回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(80%)。試験には,教科書,ノートの持ち込みは許可しない。演習・レポート(20%)。成績が60点未満の学生に対して再試験を行うことがある。その場合,定期試験と再試験の平均点を試験分として再計算する。ただし,再評価による成績の上限は60点とする。なお,再試験の実施および受験資格は,該当者の学習態度を踏まえて判断する。
注意点:
履修上の注意:第3学年の課程修了のためには履修が必須である。

履修のアドバイス:工業力学は機械工学に関係する力学の基礎であり,さらに機械力学へと発展するため,理解を十分に深めることが必要である。

基礎科目:物理Ⅰ(1年),物理Ⅱ(2),微分積分Ⅰ(2),基礎線形代数(2)

関連科目:線形数学(3年),応用物理Ⅰ,Ⅱ(3,4),機械力学(5)など

受講上のアドバイス:物理Ⅰおよび応用物理Ⅰと重複する内容が多い。難しく感じるところがあるかもしれないが,十分に復習し自ら問題に取り組むことで理解することができる。25分を超える遅刻・早退は欠課とみなす。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,力1〔力の表示,三角関数の基礎〕 ベクトルや三角関数をツールとして使うことができる.
2週 力2〔1点にはたらく2つの力の合成,力の分解〕 ベクトルや三角関数を用いて,1点にはたらく2つの力の合成や力の分解に関する基礎的な問題を解くことができる.
3週 力3〔1点にはたらく複数の力の合成,力のモーメント〕 1点にはたらく複数の力の合成と力のモーメントを理解する.
4週 力4〔着力点の異なる力の合成〕 着力点の異なる力の合成を理解する.
5週 力のつりあい1〔1点にはたらく力のつりあい〕 1点にはたらく力のつりあいを理解する.
6週 力のつりあい2〔着力点の異なる力のつりあい〕 着力点の異なる力のつりあいを理解する.
7週 力のつりあい3〔平行力のつりあい〕 平行力のつりあいを理解する.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説
10週 重心1〔重心の求め方〕 重心の意味と求め方の基礎を理解する.
11週 重心2〔規則的な物体の重心〕 規則的な物体の重心の求め方を理解する.
12週 点の運動1〔位置・速度・加速度,等速直線運動〕 位置・速度・加速度の関係を微積分を用いて表現し,等速直線運動に関する基礎的な問題を解くことができる.
13週 点の運動2〔等加速度直線運動,加速度が一定でない直線運動〕 等加速度直線運動と加速度が一定でない直線運動に関する基礎的な問題を解くことができる.
14週 点の運動3〔落体の運動,放物線運動〕 落体の運動と放物線運動を理解できる.
15週 前期末試験
16週 前期末試験の返却と解答解説
後期
3rdQ
1週 点の運動4〔周速度・角速度・回転速度〕 周速度・角速度・回転速度を理解し,相互に変化できる.
2週 点の運動5〔円運動の加速度〕 円運動の加速度を理解する.
3週 点の運動6〔等角加速度運動〕 等角加速度運動を理解する.
4週 剛体の力学1〔剛体の回転運動〕 角運動方程式を理解する.
5週 剛体の力学2〔細いまっすぐな棒および長方形の慣性モーメント〕 細いまっすぐな棒および長方形の慣性モーメントを求めることができる.
6週 剛体の力学3〔平行軸の定理〕 平行軸の定理を理解する.
7週 剛体の力学4〔直交軸の定理,円板の慣性モーメント〕 直交軸の定理を理解し,円板の慣性モーメントを求めることができる.
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解答解説
10週 剛体の力学5〔剛体の平面運動の基礎方程式〕 剛体の平面運動の基礎方程式を立てることができる.
11週 剛体の力学6〔斜面を転がる剛体の運動〕 斜面を転がる剛体の運動に関する基礎的な問題を解くことができる.
12週 仕事と動力1〔仕事と動力の基礎〕 仕事と動力の定義を理解する.
13週 仕事と動力2〔直線運動の仕事と動力〕 直線運動の仕事と動力に関する基礎的な問題を解くことができる.
14週 仕事と動力3〔回転運動の仕事と動力〕 回転運動の仕事と動力に関する基礎的な問題を解くことができる.
15週 後期末試験
16週 後期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000