水理学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 水理学
科目番号 0073 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 土木建築工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 最新水理学 2(森北出版)
担当教員 宇根 拓孝

到達目標

粘性流体の特徴を理解し、エネルギー損失の要因やその計算法を習得すること、また、その応用として管路や開水路における流量や水面形等の計算ができることである。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1粘性流体の特徴を理解し、エネルギー損失の要因やその計算法を十分習得している。粘性流体の特徴を理解し、エネルギー損失の要因やその計算法を習得している粘性流体の特徴を理解し、エネルギー損失の要因やその計算法を習得していない。
評価項目2応用として管路や開水路における流量や水面形等の計算が十分できる。応用として管路や開水路における流量や水面形等の計算ができる。応用として管路や開水路における流量や水面形等の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
3年次に水理学基礎において習得した知識を踏まえて、粘性流体の流れについて解説する。粘性流体では完全流体と異なりエネルギー損失を考慮する必要がある。授業では、エネルギー損失の要因とその量的な評価、エネルギー損失を考慮した円管路、開水路流れの水理を中心に講義を進める。
授業の進め方・方法:
本授業は、講義を基本とする。学習シートは原則として毎回配布し、理解度を増すために活用する。授業の内容を確実に身につけるために、予習復習が必須である。
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために、予習復習が必須である。

成績評価:試験成績80%(4回の試験は同等評価)、学習シート等のポートフォリオ20%
合格基準:60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の進め方について
粘性流体と完全流体の相違
シラバスを用いて水理学の授業の進め方、評価方法について説明する。
2週 層流と乱流 レイノルズ実験をもとに、層流と乱流の流れの特徴を学習する.
3週 流体摩擦と古典的乱流理論 乱流で生ずるエネルギー損失の説明とその理論的取り扱いについて学習する.
4週 滑面円管内の層流 滑面円管路内の層流の流速分布、流量の計算について学習する。
5週 滑面円管内の乱流 滑面円管路内の乱流の流速分布、流量の計算について学習する。
6週 粗面円管内の乱流 粗面円管路内の乱流の流速分布について学習する.また,ムーディ図表を用いて摩擦損失の取り扱いを学習する.
7週 演習(1) 円管流れ(層流・乱流)について速度分布,せん断力等の演習を行う.
8週 中間試験 粘性流体の変形運動,層流・乱流の特徴,円管流れについての問題を出題する.
2ndQ
9週 試験の解説.
摩擦および局所損失(1)
試験の解説を行う.円管路における摩擦損失水頭の実用公式,摩擦損失以外の水頭損失について学習する.
10週 摩擦および局所損失(2) 前回の学習を進め,粘性流体におけるエネルギー保存則を学習する.
11週 配水管他の粘性流体の流れ 摩擦損失,局所損失を考慮した単線管路の計算方法を学習する.
12週 演習(2) 摩擦損失,局所損失を考慮した単線管路の計算方法の演習を行う.
13週 サイフォン管路 サイフォン管路について学習する。
14週 演習(3) サイフォン管路の計算に関する演習を行う。
15週 期末試験 本試験では、単線の円管路流れの摩擦損失水頭等の計算、サイフォンに関する問題を出題する。
16週 答案返却など 前期末試験の解答・解説を行う。
後期
3rdQ
1週 バイパス管路の損失水頭 バイパス管路の摩擦損失、局所損失を考慮した計算法を学習する。
2週 演習(4) バイパス管路における配分流量の計算法の演習を行う。
3週 管網計算 管網における配分流量の計算方法を学習する。
4週 演習(5) 管網における配分流量の計算に関する演習を行う。
5週 ポンプ・水車 ポンプ・水車のある管路の流れについて学習する。
6週 開水路流れの水理(1) 開水路流れの概要、基礎用語の定義について学習する。
7週 開水路流れの水理(2) 常流、射流、跳水現象について学習する。
8週 中間試験 バイパス管路、管網の計算問題および開水路流れに関する基礎事項に関する問題を出題する
4thQ
9週 開水路流れの水理(3) 試験の解説。開水路の等流について学習する。
10週 開水路流れの水理(4) 開水路流れの不等流おける基礎方程式について学習する。
11週 開水路流れの水理(5) 不等流の水面形状の分類について学習する。
12週 開水路流れの水理(6) 開水路流れの水面形の逐次計算法について学習する。
13週 開水路流れの水理(7) 逐次近似計算法による水面形計算の演習を行う。
14週 演習(6) 開水路流れに関する復習、演習を行う。
15週 期末試験 本試験では、開水路の等流、開水路の水面形に関する問題を出題する
16週 答案返却など 試験の解答と説明。4年で学んだ項目について、再復習する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前1
分数式の加減乗除の計算ができる。3前1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前1
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前1
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3前1
簡単な連立方程式を解くことができる。3前1
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3前1
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3前1
恒等式と方程式の違いを区別できる。3前1
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3前1
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3前1
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3前1
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前1
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3前1
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前1
角を弧度法で表現することができる。3前1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3前1
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前1
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3前1
一般角の三角関数の値を求めることができる。3前1
2点間の距離を求めることができる。3前1
内分点の座標を求めることができる。3前1
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3前1
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3前1
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3前1
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3前1
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前1
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前1
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前1
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前1
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前1
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前3
合成関数の導関数を求めることができる。3前3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3前3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3前3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3前3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3前3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3前3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3前3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3前3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3前3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3前3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3前3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3前3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3前3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3前3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3前3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3前3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3前3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3前3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前3
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前1
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前1
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前1
物体に作用する力を図示することができる。3前1
力の合成と分解をすることができる。3前1
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前1
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前1
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前1
慣性の法則について説明できる。3前1
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前1
運動方程式を用いた計算ができる。3前1
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前1
運動の法則について説明できる。3前1
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前1
最大摩擦力に関する計算ができる。3前1
動摩擦力に関する計算ができる。3前1
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後5
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後5
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後5
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後5
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後5
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前1
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前1
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前1
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前1
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前1
力のモーメントを求めることができる。3前3
角運動量を求めることができる。3前3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野水理水理学で用いる単位系を説明できる。4前1
静水圧の表現、強さ、作用する方向について、説明できる。4前1
平面と曲面に作用する全水圧の大きさと作用点を計算できる。4前1
浮力と浮体の安定を計算できる。4前1
完全流体の運動方程式(Eulerの運動方程式)を説明できる。4前1
連続の式を説明できる。4前1
ベルヌーイの定理を説明でき、これを応用(ベンチュリーメータなど)した 計算ができる。4前1
運動量保存則を説明でき、これを応用した計算ができる。4前1
比エネルギー、フルード数、常流と射流、限界水深(ベスの定理、ベランジェの定理)、跳水現象について、説明できる。4後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
層流と乱流について、説明できる。4前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,後16
流体摩擦(レイノルズ応力、混合距離)を説明できる。4前3,前7,前8,後16
管水路の摩擦以外の損失係数について、説明できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後16
各種の管路の流れが計算できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後16
開水路の等流(平均流速公式、限界水深、等流水深)について、計算できる。4後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
開水路不等流の基礎方程式を説明できる。4後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000