コンピュータ構成学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 コンピュータ構成学
科目番号 0035 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:橋本昭洋「計算機アーキテクチャ」昭晃堂、David Money Harris, Sarah L. Harris,「Digital Design and Computer Architecture Second Edition」Morgan Kaufmann
担当教員 栁澤 秀明

到達目標

コンピュータの構成方式と設計技術について学び、さらに、高性能なコンピュータシステムについて理解する。モデルCPUの設計手法が理解でき、実行制御部と演算処理部を設計できることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
コンピュータシステムのアーキテクチャについて詳細に説明でき、性能評価をすることができる。コンピュータシステムのアーキテクチャについて説明することができる。コンピュータシステムのアーキテクチャについて説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
コンピュータシステムのハードウェア構造と動作を理解する。
本科で学んだコンピュータアーキテクチャをベースに、コンピュータハードウェアの構成方式と設計技術について現実に即して解説し、ハードウェア記述言語(VHDL)による設計手法を修得する。また、コンピュータの高性能化のための構成技術と動作原理についても学習する。
授業の進め方・方法:
授業では、座学に適宜演習を交えながら、コンピュータを構成する各部の設計手法を習得する。授業内容を理解するためには予習復習が必須である。
注意点:
本科:コンピュータアーキテクチャ(4年)
専攻科:論理設計(1年)
最終評価(最大100点)=期末試験の成績+課題加点(最大10点)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
組み合わせ回路についての復習
2進数による数値の表現、算術演算、シフト演算をハードウェア記述言語(VHDL)で実現する。
2週 順序回路についての復習 カウンタなどをハードウェア記述言語(VHDL)で実現する。
3週 制御回路についての復習 制御回路をハードウェア記述言語(VHDL)で実現する。
4週 演算ユニットの構成法 演算ユニットの構成について理解する。また、VHDL記述で設計し、動作を検証する。
5週 入出力装置(1) 入出力装置の動作について理解する。
6週 入出力装置(2) 入出力装置の動作について理解する。
7週 CPUの構成と命令セットの仕様 CPUの構成を理解すると共に、命令の種類、命令語の構成とその動作を理解する。
8週 命令語とアドレス指定形式 命令語とアドレス指定形式ついて具体例を挙げながら解説する。
2ndQ
9週 データパスと実行制御部の構成 モデルCPUの命令実行に基づいてデータパスと実行制御部の構成を学ぶ。
10週 実行制御部の設計 実行制御の状態遷移図からワイアードロジック制御とマイクロプログラム制御による実行制御について理解する。
11週 実行制御部の記述設計 ワイアードロジック制御による実行制御部についてVHDL記述で設計する手法を学ぶ。
12週 パイプライン実行制御 CPUを高速化する手法であるパイプライン制御の構成方法を解説し、パイプライン制御による性能の向上について解析する。
13週 パイプラインハザードの回避 構造ハザード、制御ハザード、データハザードについて、問題と対策を解説する。
14週 メモリ キャッシュと仮想記憶について理解する。
15週 期末試験 コンピュータハードウェアの構造と設計技術について理解できているかを確認する出題である。
16週 まとめ 試験の解答と解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。5前1
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。5前1
組合せ論理回路を設計することができる。5前1
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。5前2
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。5前2
与えられた順序回路の機能を説明することができる。5前2
順序回路を設計することができる。5前2
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。5前7
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。5前7
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。5前14
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。5前5,前6
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。5前7,前14
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。5前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前11
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。5前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前11

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合100100000110
基礎的能力3010000040
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000