システム設計

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 システム設計
科目番号 35008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 5
開設期 2nd-Q 週時間数 4
教科書/教材 教科書は用いない。説明資料を公開する。
担当教員 田辺 誠

到達目標

①システム設計の目標と概要について説明できる。
②プロジェクト管理技法やビジネスフロー分析手法などの具体的な管理・分析手法について説明できる。
③具体的な製品に対するソフトウェア設計を各種技法に基づいて行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目標(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1システム設計の目標と概要について、具体的な例を挙げて説明できる。システム設計の目標と概要について、与えられた具体例に即して説明できる。システム設計の目標と概要について説明できる。システム設計の目標と概要について説明できない。
評価項目2プロジェクト管理技法およびビジネスフロー分析手法について複数の観点から比較ができる。プロジェクト管理技法およびビジネスフロー分析手法について比較ができる。プロジェクト管理技法やビジネスフロー分析手法などの具体的な管理・分析手法について説明できる。プロジェクト管理技法やビジネスフロー分析手法などの具体的な管理・分析手法について説明できない。
評価項目3具体的な製品に対して学習内容を十分にふまえてソフトウェア設計を行うことができる。具体的な製品に対して学習内容をふまえてソフトウェア設計を行うことができる。具体的な製品に対して与えられたソフトウェア設計例について説明できる。具体的な製品に対して与えられたソフトウェア設計例について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
品質の高い製品づくりのために必要な設計技術について理解する。特にソフトウェア設計に焦点をあて、ソフトウェア品質向上を目指した設計技法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
この科目は学習単位科目のため、事前・事後学習としてレポートやオンラインテストを実施します。
注意点:
学期内に成績を再評価する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 システム設計の概要 ・システム構築における契約・合意から運用・保守までの工程をシステムアーキテクト資格のシラバス大項目として順序付けることができる。
・高専MCCの学習項目と本授業の関連を説明できる。
10週 ・プロジェクトについて
・業務モデルについて
・プロジェクトの3制約および5プロセスをPMBOKの定義に従って説明できる。
・WBSを用いたプロジェクトのスコープ分析例を作成できる。
・ADMを用いたプロジェクトのタイム管理を行い、プロジェクトの所要工期およびクリティカルパスを求めることができる。
・FP法を用いてプロジェクトのコスト管理(見積もり)ができることを説明できる。
・業務プロセスのモデル化に使われるDFDの主要4要素について説明できる。
・業務データのモデル化に使われるE-R図の構成要素(エンティティーとリレーション)について説明できる。
11週 超上流工程と共通フレーム2013 ・企画(システム化構想・計画)やステークホルダー要件の整理などの超上流工程について共通フレーム2013による標準化をもとに理解し、その重要性や、上流工程において保守要件を考えることの重要性を説明できるようになる。
・V字プロセスの概要について理解し、Verification(検証)とValidation(妥当性)の違いを説明できるようになる。
・機能要件と非機能要件の違いを理解し、具体的な要件を両者に分類することができる。
・ソフトウェア保守が4種類に分かれることを理解し、具体的な保守内容を4者に分類することだができる。
12週 要求分析・要件定義 ・上位の工程で与えられた機能要件や非機能要件を満たすためにソフトウェア設計時に品質特性について意識する必要があることを理解する。品質特性が製品、利用者、データの3つの視点から分類できることを理解し、3者の違いを設営できる。
・システムのステークホルダを列挙できる。
・要件定義時のシナリオ記述について、シーケンス図やユースケース図、ユースケース記述などを用いた表現が出来るようになる。
13週 ソフトウェア設計のプロセス
ソフトウェア設計手法:構造化とODA
基本設計(外部設計)と詳細設計(内部設計)の違いについて説明できる。
構造化設計手法として、DFDを用いたシステムのモデル化を行い、STS分割法などによる分析を経てモジュール分割を行い、モジュール構造を作成するまでのプロセスを理解できる。DFDの各要素と実習成果物の対応付けについて説明ができる。
・凝集度と結合度が与えられたとき、モジュール構造の良し悪しの評価ができる。
・構造化プログラミングの3要素を説明できる。
・ODAアプローチとして、データを分析し、正規化やER図による分析等を通じてデータの品質特性を高める工夫を行う方法があることを説明できる。
14週 ソフトウェア設計手法:オブジェクト指向
アジャイル型開発に関する話題
オブジェクト指向の諸概念(クラス、インスタンス、継承、ポリモルフィズム)について説明できる。
叙述的な文章からクラス図を作成できる。
与えられたクラス図および単体テストのシーケンス図からC言語の実装を行うことができる。
アジャイル型とウォーターフォール型の長所と短所を列挙できる。
アジャイル開発の概要と特徴をスクラムを例に理解できる。
ペアプログラミングの目的と手法について説明できる。
テストファーストの目的と手法について説明できる。
リファクタリングの目的と手法について説明できる。
15週 応用演習 クラス図のC言語実装について解説を行う。
これまで学んだ範囲を総復習し、問題演習を行う。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4
集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。4
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。4
システム設計には、要求される機能をハードウェアとソフトウェアでどのように実現するかなどの要求の振り分けやシステム構成の決定が含まれることを説明できる。4
ユーザの要求に従ってシステム設計を行うプロセスを説明することができる。4
プロジェクト管理の必要性について説明できる。4
WBSやPERT図など、プロジェクト管理手法の少なくとも一つについて説明できる。4
ER図やDFD、待ち行列モデルなど、ビジネスフロー分析手法の少なくとも一つについて説明できる。4

評価割合

試験事前・事後学習合計
総合評価割合5050100
基礎的能力301040
専門的能力103040
分野横断的能力101020