オペレーションズ・リサーチ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 オペレーションズ・リサーチ
科目番号 54021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 経営情報学科 対象学年 4
開設期 1st-Q 週時間数 4
教科書/教材 教員が作成した配布プリント
担当教員 挾間 雅義

到達目標

・線形計画法を理解し、計算して求めることができる。
・PERTを理解し,必要量を計算して求めることができる。
・AHPを理解し、ウエイトの割当て方法、ウエイトの妥当性、総合得点を求めることができる。
・在庫管理を理解し、発注量を計算することができる。
・待ち行列を理解し、窓口モデルによる違いや性能評価をおこなうことができる。
・プロジェクトマネジメントを理解し、スケジュールに必要なコスト、スケジュール進捗状況などを求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
線形計画法・線形計画法を用いて輸送計画問題へ応用し、最適コスト、輸送ルートを求めることができる。 ・双対問題を理解し、最大化問題を最小化問題、最小化問題を最大化問題にすることができる。・シンプレックス法で求めた解とグラフで用いて求めた解を比較し、違いを理解できる。 ・目的関数や制約条件によって変動する最適解の変化について理解できる。 ・罰金法を用いて、線形計画の解を求めることができる。・グラフを用いて最大化問題の解を求めることができる。 ・生産計画を用いて計画式を立案することができる。 ・シンプレックス法で解くために必要な標準式を立案することができる。 ・シンプレックスを用いて解を求めることができる。・線形計画法が全く理解できない。
日程計画法 ・変更が生じるスケジュールでもES/LF表、Action表を作成することができる。 ・複数存在するクリティカルパスやリミットパスを求めることができる。・スケジュール管理で使用する ES/LF表、Action表を作成することができる。 ・クリティカルパスの経路、値を求めることができる。 ・日程計画法の概要を理解することができる。 ・作業リストにある先行作業から、アローダイヤグラムを立案することができる。 ・日程計画法が全く理解できない。
AHP・ウエイトの妥当性を評価することができる。・主観的にウエイトを割り当てて、幾何平均を計算することができる。 ・計算した幾何平均から総合得点を求めて、意思決定をおこなうことができる。・意思決定の概念を理解できる。・AHPを理解することができない。
待ち行列理論・利用率とサービス率がサービス窓口の変化によって及ぼす影響性について把握できる。 ・やや複雑な待ち行列モデルを理解できる。 ・待ち行列の事例を理解し、性能評価をおこなうことができる。 ・サプライチェーン、生産管理などの概念に応用することができる。・サービス窓口が二つ以上の場合の性能評価ができる。・待ち行列の基本概念を理解できる。 ・サービス窓口が一つの場合の性能評価ができる。・待ち行列理論について理解できない
在庫管理・定量的発注方式、定期発注方式の特徴を理解できる。 ・発注量を求めることができる。 ・代表的な需要予測の方法である移動平均法、指数平滑化を用いて予測量を求めることができる。 ・予測の違いについて理解できる。・新聞売り子問題を理解して、在庫量や発注量などを求める関係式を導くことができる。・在庫管理の概念を理解できる。 ・サプライチェーンの概要を理解できる。 ・経済発注量モデルから最適発注量の定式化をすることができる。 ・在庫管理が全く理解できない。
プロジェクトマネジメント・プロジェクトに変化が生じた場合に必要な追加人員、日数などを求めることができる。 ・出来高管理システムについて概要を把握できる。 ・出来高管理システムを用いてスケジュールの遅れ、コスト超過などの指標を求めることができる。・プロジェクトに必要なコストや日数、人員を求めることができる。・プロジェクトマネジメントの概要を理解できる。・プロジェクトマネジメントが全く理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第1学期開講
・経営工学は社会事象の変化に対して、どのような手法を用いれば、効率化、最適化をすることができるかについて講義する。   
授業の進め方・方法:
・テキストは教員が作成した配布プリントを使用する。
・授業はホワイトボードでおこなう。
・課題は適宜出題をする。
・オペレーションズリサーチは中間試験を実施する。
・配布プリントは、授業内容をまとめたもの、試験範囲について(資料①:通常色)、授業で扱う例題集(資料②緑色)、課題・演習(資料③:赤色)がある。
注意点:
・ 経営工学を学習するにあたっては、内容が経済や経営へどのように応用されるのかを考えながら望むと理解しやすい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第1回:オリエンテーション、線形計画法①(グラフ解法、生産計画問題、シンプレックス法)
第2回:線形計画法②(シンプレックス法(後半)、感度分析、罰金法)
・授業の進め方、評価方法について理解することができる。
・グラフを用いて最大化問題の解を求めることができる。
・生産計画を用いて計画式を立案することができる。
・シンプレックス法で解くために必要な標準式を立案することができる。
・シンプレックスを用いて解を求めることができる。
・シンプレックス法で求めた解とグラフで用いて求めた解を比較し、違いを理解することができる。
・目的関数や制約条件によって変動する最適解の変化について理解できる。
・罰金法を用いて、線形計画の解を求めることができる。
2週 第3回:線形計画法③(応用:双対問題、輸送計画問題)
第4回:AHP(階層型意思決定法)
    
・双対問題の概要を理解して、最大化問題を最小化問題、最小化問題を最大化問題にすることができる。
・線形計画法を用いて輸送計画問題へ応用し、最適コスト、最適輸送ルートを求めることができる。
・意思決定の概念を理解できる。
・主観的にウエイトを割り当てて、幾何平均を計算することができる。
・計算した幾何平均から総合得点を求めて、意思決定をおこなうことができる。
・ウエイトの妥当性を評価することができる。
3週 第5回:日程計画法①(アローダイヤグラムの作成、通常のスケジュールモデル)
第6回:日程計画法②(変更スケジュールモデル)
・日程計画法の概要を理解することができる。
・作業リストにある先行作業から、アローダイヤグラムを立案することができる。
・スケジュール管理で使用する ES/LF表、Action表を作成することができる。
・作成した表からクリティカルパスの経路、値を求めることができる。
・変更が生じるスケジュールの場合においてもES/LF表、Action表を作成することができる。
4週 第7回:在庫管理①(概要、経済発注量モデル)
第8回:中間試験(線形計画法、AHP、日程計画法)
・在庫管理の概念を理解できる。
・経済発注量モデルから最適発注量の定式化をすることができる。
・新聞売り子問題を理解して、在庫量や発注量などを求める関係式を導くことができる。
・中間試験で、前半の内容について把握し、問題を解くことができる。
5週 第9回:在庫管理②(発注方式、需要予測)
第10回:在庫管理③(サプライチェーン)
・定量発注方式、定期発注方式の特徴を理解できる。
・発注量を求めることができる。
・代表的な需要予測の方法である移動平均法、指数平滑化を用いて予測量を求めることができる。
・予測の違いについて理解できる。
・サプライチェーンの概要を理解できる。
6週 第11回:待ち行列理論①(M/M/1システム)
第12回:待ち行列理論②(M/M/sシステム)
・待ち行列の基本概念を理解できる。
・サービス窓口が一つの場合の性能評価ができる。
・サービス窓口が二つ以上の場合の性能評価ができる。
・利用率とサービス率がサービス窓口の変化によって及ぼす影響性について把握できる。
・やや複雑な待ち行列モデルを理解できる。
・待ち行列の事例を理解し、性能評価をおこなうことができる。
・サプライチェーン、生産管理などの概念に応用することができる。
7週 第13回:プロジェクトマネジメント(人月計算、出来高管理システム)
第14回:中間試験返却、演習問題
・プロジェクトマネジメントの概要を理解できる。
・プロジェクトに必要なコストや日数、人員を求めることができる。
・プロジェクトに変化が生じた場合に必要な追加人員、日数などを求めることができる。
・出来高管理システムについて概要を把握できる。
・出来高管理システムを用いてスケジュールの遅れ、コスト超過などの指標を求めることができる。
8週 第15回:期末試験
最終回:期末試験返却
・期末試験で、後半の内容について把握し、問題を解くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学経済・ビジネス系分野商業マーケティングミックスについて説明できる。4
卸売業の役割と諸形態について説明できる。4
サプライ・チェーン・マネジメントについて説明できる。4
法律産業財産権について説明できる。4
著作権について説明できる。4
経営科学PERTについて説明できる。4
AHPについて説明できる。4
待ち行列について説明できる。4
在庫管理について説明できる。4
線形計画法について説明できる。4
非線形計画法について説明できる4
動的計画法について説明できる。4
組合せ最適化について説明できる。4

評価割合

中間試験期末試験課題・演習合計
総合評価割合404020100
知識の基本的な理解30301575
思考・推論・創造への適用力1010020
汎用的技能0055
態度・志向性0000
総合的な学習経験と創造的思考力0000