コンピュータシミュレーション

科目基礎情報

学校 大島商船高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 コンピュータシミュレーション
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 海洋交通システム学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 自作教材
担当教員 岩崎 寛希

到達目標

本科目はVisualBasic言語(以下、VB)を用いて、物理や力学で習った質点、剛体の運動のリアルタイム、ファーストタイム、スローモーションシミュレーションを行う。具体的な学習到達目標は以下のとおりである。
(1)物理、力学での質点の運動方程式を立て、解析的に解くことができる。
(2)VBでコーディングされた2次元グラフィックライブラリを用いて2次元の描画を行うことができる。
(3)VBのオブジェクトである”タイマー”を用いて、微小時間ごとの数値積分を用いて、ボールの自由落下、バウンドのシミュレーションを実行できる。
(4)演算的な2階微分方程式の解析方法であるルンゲクッタ法によって、単振り子のシミュレーションを実行できる。
(5)シミュレーションによって得られる動画の吟味のため、運動緒元をログファイル化して残す。このログファイルをオフラインでエクセル等を用いて時系列的にグラフにでき、吟味作業を行って、プログラムコードを修正しながらシミュレーションを完成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1質点の力学例題の運動方程式を立式でき、数学的に解析して運動緒元の時間変化を解くことができる。運動方程式は立式できるが、一部数学的解析ができる。運動方程式を立式できるが、数学的解析がまったくできない。
評価項目2与えられた2次元グラフィックライブラリを使いこなし、グラフや運動航跡を描画できる。手をかけてグラフィックを描画できる。コンピュータ画面に2次元の描画ができない。
評価項目3オブジェクト”タイマー”を用いて、リアルタイム、ファーストタイム、スローモションなどを駆使しながらボールの自由落下、バウンドのシミュレーションを完成できる。シミュレーション動画は見様見真似で完成したが、うまくいかないときの問題解決力が劣る。こちらがプログラミングコードを示さないと、シミュレーション動画ができない
評価項目4こちらが与えたルンゲクッタ法例を単振り子解析に応用でき、シミュレーション動画を作れる。ルンゲクッタ法事例を単振り子に応用するのにてこづる。単振り子シミュレーション動画を教えても完成できない。
評価項目5動画完成までの過程で生ずる問題点の原因を見つけ出し、解決策を講じて完成まで持っていける。問題点は理解できるが、原因や解決方法を見出す力に欠ける。問題天の原因はもちろん、解決策も見いだせない。

学科の到達目標項目との関係

本校 (1)-c 説明 閉じる
専攻科 (5)-c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目はVisualBasic言語(以下、VB)を用いて、物理や力学で習った質点、剛体の運動のリアルタイム、ファーストタイム、スローモーションシミュレーションを行う。
授業の進め方・方法:
マルチメディア室で各自マシンに向かいながら、スクリーンに投影した教員用画面を見ながらプログラミングを行っていく。
本科での物理、力学での運動方程式の解析はホワイトボードに板書しながら、グループデスカッションして講義する。
注意点:
中間、期末とまずは教員と学生1対1で口述試験を実施、3問連取で合格とする。自学自習を行い、分りもよかった学生は早い段階で口述合格する。一方、理解が難しくても教員画面のコードをそのまま打ち込んだ学生はとことん、合格しない。しかし、その後行う筆記試験では難儀しててこづった学生は記述できる。一方、早く合格した学生も合格後質問が変化していった過程を追いかけながら筆記試験に臨むと、応えに窮する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シミュレーションの意義、効用 講義で行い、ノートにまとめさせる。
2週 物理、力学における質点運動の運動方程式とその数学解析 講義で行い、ノートにまとめさせる。
3週 加速度が一定の場合、VBを用いた微小時間ごとの数値積分による逐次解析プログラムの作成 教員画面を見ながらのプログラミングができる
4週 与えた2次元グラフィックにようる動画描画テクニック 教員画面を見ながらのプログラミングができる
5週 ボールの自然落下と地面でのバウンドシミュレーション シムレーションでき、動画によってバウンドする様子を再現できる。
6週 「単振り子」の運動方程式と数学的解析 講義で行い、ノートにまとめさせる。
7週 口述試験と筆記試験および返却 口述試験は放課後に、筆記試験は授業時間に実施する。
8週 「ルンゲクッタ法」の例を単振り子シミュレーションに応用、空気抵抗の導入 教員画面を見ながらのプログラミングができる
4thQ
9週 「ルンゲクッタ法」の例を単振り子シミュレーションに応用、空気抵抗の導入 教員画面を見ながらのプログラミングができる
10週 振り子のシミュレーション中の運動緒元をログファイルに残し、オフラインで時系列グラフを描かせ、シミュレーションの吟味を行う。 教員画面を見ながらのプログラミングができる
11週 振り子のシミュレーション中の運動緒元をログファイルに残し、オフラインで時系列グラフを描かせ、シミュレーションの吟味を行う。 教員画面を見ながらのプログラミングができる
12週 座標変換を用いた回転運動シミュレーション(坂道転がりながら落下) 剛体の回転運動について講義で行い、ノートにまとめさせる。
13週 座標変換を用いた回転運動シミュレーション(坂道転がりながら落下) 教員画面を見ながらのプログラミングができる
14週 座標変換を用いた回転運動シミュレーション(坂道転がりながら落下) 教員画面を見ながらのプログラミングができる
15週 回転シミュレーション中の運動緒元をログファイルに残し、オフラインで時系列グラフを描かせ、シミュレーションの吟味を行う。 教員画面を見ながらのプログラミングができる
16週 口述試験と筆記試験および返却 口述試験は放課後に、筆記試験は授業時間に実施する。

評価割合

口述試験筆記試験出席状況合計
総合評価割合306010100
基礎的能力10201040
専門的能力1020030
分野横断的能力1020030