土の力学

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 土の力学
科目番号 210420 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(2018年度以前入学者) 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:赤木知之ほか「土質工学」コロナ社 ISBN978-4-339-05503-0、土木基礎力学2(3 年持上り)
担当教員 荒牧 憲隆

到達目標

土の力学における基本的問題である透水,地盤内の応力,圧密と地盤沈下,土のせん断強さに関して、土の材料特性と力学的な基本原理を理解すること,地盤工学における土構造物や構造物基礎の設計に応用する方法を理解することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ダルシーの法則と流線網を理解し,流量が算定できるダルシーの法則と流線網を十分に理解し,流量が算定できるダルシーの法則と流線網を理解し,流量が算定できるダルシーの法則と流線網を理解し,流量が算定できない
透水試験の目的と方法が理解できる透水試験の目的と方法が十分に理解できる透水試験の目的と方法が理解できる透水試験の目的と方法が理解できない
有効応力の原理を理解し、透水ならびに上載荷重による地中応力の変化が算定できる有効応力の原理を十分に理解し、透水ならびに上載荷重による地中応力の変化が十分に算定できる有効応力の原理を理解し、透水ならびに上載荷重による地中応力の変化が算定できる有効応力の原理を理解できず、透水ならびに上載荷重による地中応力の変化が算定できない
圧密現象を説明でき、圧縮特性を表わす諸係数が理解できる圧密現象を説明でき、圧縮特性を表わす諸係数が十分に理解できる圧密現象を説明でき、圧縮特性を表わす諸係数が理解できる圧密現象を説明でき、圧縮特性を表わす諸係数が理解できない
最終沈下量と時間~沈下量関係を理解し,基本的な地盤沈下問題に適用できる最終沈下量と時間~沈下量関係を十分に理解し,基本的な地盤沈下問題に十分に適用できる最終沈下量と時間~沈下量関係を理解し,基本的な地盤沈下問題に適用できる最終沈下量と時間~沈下量関係を理解できず,基本的な地盤沈下問題に適用できない
土の破壊基準を理解し,強度定数を算定できる土の破壊基準を十分に理解し,強度定数を十分に算定できる土の破壊基準を理解し,強度定数を算定できる土の破壊基準を理解できず,強度定数を算定できない
安定問題と排水条件の関係と、各種せん断試験の方法が理解できる安定問題と排水条件の関係と、各種せん断試験の方法が十分に理解できる安定問題と排水条件の関係と、各種せん断試験の方法が理解できる安定問題と排水条件の関係と、各種せん断試験の方法が理解できない
ダイレイタンシ-と過剰間隙水圧を理解し、液状化現象を説明できるダイレイタンシ-と過剰間隙水圧を十分に理解し、液状化現象を十分に説明できるダイレイタンシ-と過剰間隙水圧を理解し、液状化現象を説明できるダイレイタンシ-と過剰間隙水圧を理解できず、液状化現象を説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この科目は企業で研究開発を担当していた教員が、その経験を活かし、土質材料の物理特性・工学特性に係わる基本事項の理解に基づき、土の力学の基礎について講義と演習形式で授業を行うものである。
土の力学における基本的問題である地盤内の水の流れ(透水),地盤内の応力,圧密と地盤沈下,土のせん断強さに関して学習する。
授業の進め方・方法:
学習項目ごとに,土質材料の特徴に関する理解と地盤の力学挙動に関する考え方が定着するように授業を進める。授業で土の力学に関する基本事項と具体的な地盤工学問題を解説し、代表的な演習問題に取り組む。演習レポートと小テストにより理解の程度を確認する。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業内容と成績評価方法のガイダンス
授業内容の概要と成績評価方法を理解する。
2週 基礎力学Ⅱ(土質力学基礎)の復習:土の基本的性質その1 単位系、重力作用、水の基本的性質、静水圧などの基本事項を理解する。
3週 基礎力学Ⅱ(土質力学基礎)の復習:土の基本的性質その2 土の基本的性質のうち、物理的性質とその表現方法を理解する。
4週 土中の水、飽和地盤内の水の流れ 地盤内に存在する水、飽和地盤内の水の流れに関する現象と基本用語を理解する。
5週 地盤内の水の流れ
浸透流
浸透流の現象とダルシーの法則を理解する。
6週 地盤内の水の流れ
浸透水圧
浸透水圧の定義、算定方法を理解する。
7週 透水試験とその応用
室内透水試験と現場透水試験
透水試験の目的と方法が理解でき、透水係数が算定できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 流線網による透水量の評価 流線と等ポテンシャル線が理解し、流線網から流量が算定できる。
10週 地盤内の応力
有効応力の原理
自重による応力と間隙水圧が算定できる。有効応力の原理を理解し、算定できる。
11週 地盤内の応力
透水による有効応力の変化
透水による有効応力の変化が理解できる。
12週 地盤内の応力
透水と地盤の安定
ボイリングに関する地盤の安定が評価できる。
13週 地盤内の応力
地盤内応力の定義と応力増分
自重による応力と上載荷重による応力増分が理解できる。
14週 上載荷重による地盤内応力
集中荷重による応力増分
ブーシネスクの式が理解でき、応力増分を算定できる。
15週 上載荷重による地盤内応力
分布荷重による応力増分
盛土荷重、矩形分布荷重による応力増分が算定できる。
16週 上載荷重による地盤内応力
種々の上載荷重による
種々の上載荷重の条件による応力増分が算定できる。
後期
3rdQ
1週 圧密と地盤沈下の概要 圧密の定義、地盤沈下現象、圧密による物性の変化を理科できる。
2週 "圧密と地盤
一次元圧密理論"
圧密試験と圧密特性を表す諸量
圧密による最終沈下量
圧密と地盤
一次元圧密理論
圧密現象を一次元モデルで説明できる。
3週 圧密試験と圧密特性を表す諸量 圧密試験の目的と方法が説明できる。圧密特性を表わす諸係数が理解できる。
4週 圧密による最終沈下量 圧密による最終沈下量が3種の方法で算定できる。
5週 正規圧密と過圧密 地盤履歴と圧密状態が理解できる。
6週 圧密度と圧密時間 最終沈下量と時間~沈下量関係を理解し,基本的な地盤沈下問題に適用できる。
7週 地盤沈下の評価 実際の構造物築造による最終沈下量と時間~沈下量関係が算定できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 土のせん断強さ
土のせん断の概念
各種せん断試験の方法が理解できる。
10週 土のせん断試験
モ-ルの応力円と破壊基準
土のせん断破壊におけるモ-ルの応力円が描ける。
11週 土のせん断試験
モ-ルの応力円と破壊基準
安定問題と排水条件の関係が理解できる。
12週 せん断試験と排水条件および有効応力 土の破壊基準を理解して,簡単な問題について強度定数を算定できる。
13週 粘性土・砂質土のせん断特性 粘性土・砂質土のせん断特性の相違が理解できる。
14週 ダイレイタンシ-と過剰間隙水圧 ダイレイタンシ-の定義が理解できる
15週 砂地盤の液状化
地震時の液状化現象が理解できる。
16週 土の強さに関わる地盤工学問題 土の強さに関わる地盤工学問題が理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野地盤土の生成、基本的物理量、構造などについて、説明できる。4前2
土の粒径・粒度分布やコンシステンシーを理解し、地盤材料の工学的分類に適用できる。4前3
ダルシーの法則を説明できる。4前4,前5,前6
透水係数と透水試験について、説明できる。4前7
透水力による浸透破壊現象を説明できる。4前9,前11,前12
土のせん断試験を説明できる。4後9,後10,後11,後16
土のせん断特性を説明できる。4後12,後13,後14,後16
土の破壊規準を説明できる。4後10,後11,後16
地盤内応力を説明できる。4前13,前14,前15,前16
土の圧密現象及び一次元圧密理論について、説明できる。4後1,後2
圧密沈下の計算を説明できる。4後3,後4,後5,後6,後7
有効応力の原理を説明できる。4前10,前11,前12
飽和砂の液状化メカニズムを説明できる。4後15
地盤改良工法や液状化対策工法について、説明できる。4後15

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
専門的能力8020100