物理学Ⅰ

科目基礎情報

学校 香川高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理学Ⅰ
科目番号 1122 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 通信ネットワーク工学科(2019年度以降入学者) 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 植松 恒夫,酒井 啓司,下田 正 編「総合物理1」,ステップアップノート物理基礎 改訂版,担当教員が作成した資料
担当教員 白幡 泰浩

到達目標

・理工学の基礎となる物理学における基本的な概念や原理・法則を理解することで,科学的な考え方を定着させる.
・微分と積分を使って,時間や距離で変化する物体の運動・仕事・エネルギー・運動量・力積を説明できるようになる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有効数字について理解し,それを踏まえた解答ができる.有効数字について理解し,それを踏まえた解答ができる.有効数字について理解できず,それを踏まえた解答もできない.
評価項目2ベクトル用いて速度や力の合成・分解・つり合いを表し,これらの大きさを計算できる.ベクトル用いて速度や力の合成・分解・つり合いを表し,これらの大きさを計算できる.ベクトル用いて速度や力の合成・分解・つり合いを表すことができず,これらの大きさも計算できない.
評価項目3等加速度直線運動などの公式を用いて,物体の座標・速度・加速度に関する基本的な計算ができる.等加速度直線運動などの公式を用いて,物体の座標・速度・加速度に関する基本的な計算ができる.等加速度直線運動などの公式を用いて,物体の座標・速度・加速度に関する基本的な計算ができない.
評価項目4運動方程式を用いて,力の向きと大きさに関する基本的な計算ができる.運動方程式を用いて,力の向きと大きさに関する基本的な計算ができる.運動方程式を用いて,力の向きと大きさに関する基本的な計算ができない.
評価項目5圧力,水圧,浮力,空気の抵抗力について理解し,これらに関する基本的な計算ができる.圧力,水圧,浮力,空気の抵抗力について理解し,これらに関する基本的な計算ができる.圧力,水圧,浮力,空気の抵抗力について理解できず,これらに関する基本的な計算もできない.
評価項目6力学的エネルギー保存則を用いて,物体の位置・速度・ばねの伸び/縮みに関する基本的な計算ができる.力学的エネルギー保存則を用いて,物体の位置・速度・ばねの伸び/縮みに関する基本的な計算ができる.力学的エネルギー保存則を用いて,物体の位置・速度・ばねの伸び/縮みに関する基本的な計算ができない.
評価項目7運動量保存則を用いて,物体の運動量や力積に関する基本的な計算ができる.運動量保存則を用いて,物体の運動量や力積に関する基本的な計算ができる.運動量保存則を用いて,物体の運動量や力積に関する基本的な計算ができない.
評価項目8微分や積分を用いて,物体の変位・速度・加速度・運動方程式・仕事・エネルギー・運動量・力積に関する計算ができる.微分や積分を用いて,物体の変位・速度・加速度・運動方程式・仕事・エネルギー・運動量・力積に関する計算ができる.微分や積分を用いて,物体の変位・速度・加速度・運動方程式・仕事・エネルギー・運動量・力積に関する計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では,
・有効数字の概念を理解する.
・力学に関する単元を学習する.
授業の進め方・方法:
・教科書および担当教員が作成する資料を使用して,講義形式で授業を進める.
・授業で学習した原理・法則を理解したことを確認するために小テストを実施する.また,授業内で課せられた宿題を解くためのノートを用意してもらう.ノートは適宜提出してもらう.
・授業で学習した内容を定着させるために,数理基礎Ⅱにて問題演習を行う.実施日および内容については追って連絡する.
注意点:
・前期・後期とも,定期試験を80%,ポートフォリオ(小テスト・提出物・宿題など)を20%の比率で評価する.
・各定期試験後の再試験は実施しない.追試験については教務係への書類提出および担当教員との日程調整を必須とし,両方が完了した後,追試験を実施する.
・授業に関する連絡は,マイクロソフト社の「Teams」で行う.ログインに必要なIDとパスワードを記憶しておくこと.また,本授業が遠隔授業形式となった場合,Teamsで授業を行う.
・定期試験とは別に,Computer Based Testing(CBT)を後期に実施する予定である.日程と試験範囲については決定次第連絡する.
・オフィスアワー:毎週木曜日 放課後~17時

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,数値の表し方,有効数字 数値の表し方および有効数字について理解でき,それを踏まえた解答ができる.D1:1-3,D2:1-3
2週 速さと速度,変位と速度 速さと速度,および変位と速度に関する説明ができ,基礎的な計算ができる.D1:1-3
3週 等速直線運動,速度の合成と分解,相対速度 等速直線運動をする物体の位置や速度について基礎的な計算ができる.D1:1-3
直線および平面運動において,2物体の相対速度,合成速度を求めることができる.D1:1-3
4週 加速度,等加速度直線運動 加速度の概念を説明できる.D1:1-3
等加速度直線運動の公式を用いて,物体の座標・時間・速度に関する計算ができる.D1:1-3
5週 自由落下運動 自由落下した物体の座標・速度・時間に関する計算ができる.D1:1-3
6週 鉛直投射(投げ上げ・投げ下ろし) 鉛直投射した物体の座標・速度・時間に関する計算ができる.D1:1-3
7週 微分積分を用いた速度と加速度の関係(演習1) 微分積分を用いて,物体の変位・速度・加速度を相互に計算することができる.D1:1-2
8週 前期中間試験 有効数字を理解した上で,今までの内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
2ndQ
9週 答案返却,水平投射,斜方投射 水平投射または斜方投射した物体の座標・速度・時間に関する計算ができる.D1:1-3
10週 力(重力,張力,垂直抗力,摩擦力,弾性力) 物体に作用する様々な力について説明でき,これらの力の図示と基礎的な計算ができる.D1:1-3
11週 力の合成と分解,力のつり合い 力の合成と分解をすることができ,力の図示と基礎的な計算ができる.D1:1-3
12週 作用・反作用の法則,慣性の法則,運動の法則 運動の3法則に関する説明ができる.D1:1-3
13週 運動方程式(1)(1物体の運動) 運動方程式を様々な物理量の計算に利用できる.D1:1-3
14週 運動方程式(2)(2物体の運動) 運動方程式を様々な物理量の計算に利用できる.D1:1-3
15週 微分積分を用いた運動方程式の計算(演習2) 微分積分を物体にはたらく力の大きさの計算に利用できる.D1:1-2
16週 前期期末試験,答案返却 有効数字を理解した上で,今までの内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
後期
3rdQ
1週 圧力,水圧,浮力,空気の抵抗力 圧力,水圧,浮力および空気の抵抗力に関する説明と計算ができる.D1:1-3
2週 仕事,仕事の原理,仕事率 仕事と仕事率に関する計算ができる.D1:1-3
3週 運動エネルギー,運動エネルギーの変化と仕事
物体の運動エネルギーに関する計算ができる.D1:1-3
4週 重力による位置エネルギー,弾性力による位置エネルギー 重力による位置エネルギーと弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる.D1:1-3
5週 力学的エネルギー保存則(1)
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる.D1:1-3
6週 力学的エネルギー保存則(2) 力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる.D1:1-3
7週 微分積分を用いた仕事およびエネルギーの計算(演習3)
微分積分を仕事やエネルギーに関する基礎的な計算に利用できる.D1:1-2
8週 後期中間試験 有効数字を理解した上で,今までの内容を総合的に使うことができる.D1:1-3
4thQ
9週 答案返却,運動量と力積 物体の質量と速度から運動量を求めることができる.D1:1-3
運動量の差が力積に等しいことを利用して,様々な物理量の計算ができる.D1:1-3
10週 運動量保存則(1) 運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる.D1:1-3
11週 運動量保存則(2)
衝突とはね返り
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる.D1:1-3
12週 剛体にはたらく力のモーメント 剛体にはたらく力のモーメントを求めることができる.D1:1-3
13週 剛体のつり合い・剛体にはたらく力の合成 剛体における力のつり合いに関する計算ができる.D1:1-3
14週 偶力,重心 偶力と重心に関する計算ができる.D1:1-3
15週 微分積分を用いた運動量および力積の計算(演習4) 微分積分を用いて,運動量および力積に関する基礎的な計算ができる.D1:1-2
16週 後期期末試験,答案返却 有効数字を理解した上で,今までの内容を総合的に使うことができる.D1:1-3

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前2,前3,前4,前7,前8
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前3,前8
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前4,前8
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前2,前8
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前7,前8,前13
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前2,前4,前8
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前5,前6,前8,前16
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前9,前16
物体に作用する力を図示することができる。3前10,前16,後1,後2,後8,後13,後14,後16
力の合成と分解をすることができる。3前11,前16,後2,後8,後13,後16
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前10,前16,後1,後8
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前10,前16
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3前11,前16
慣性の法則について説明できる。3前12,前16
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前12,前16
運動方程式を用いた計算ができる。3前13,前14,前16
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前15,前16
運動の法則について説明できる。3前12,前16
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前10,前16
最大摩擦力に関する計算ができる。3前10,前16
動摩擦力に関する計算ができる。3前10,前16
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後2,後8
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後3,後8
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後4,後8
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後4,後8
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後5,後6,後8
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後9,後16
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3後9,後16
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後10,後11,後16
力のモーメントを求めることができる。3後12,後16
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後13,後16
重心に関する計算ができる。3後14,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力80000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000