応用物理1

科目基礎情報

学校 新居浜工業高等専門学校 開講年度 2023
授業科目 応用物理1
科目番号 110301 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高専テキストシリーズ 物理(上)力学・波動 潮 秀樹 監修 森北出版、初歩から学ぶ基礎物理学 力学II 柴田洋一 他 大日本図書
担当教員 大村 泰

到達目標

1. 音波に関わる現象を理解し、説明や計算ができる
2. 光波に関わる現象を理解し、説明や計算ができる
3. 基本的な物理量の計算法を微分・積分を用いて表現し、その計算ができる
4. 運動方程式を微分方程式として表し、その解の計算ができる
5. 角運動量について理解し、それを用いた回転の運動方程式とその計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1音波に関わる現象を理解・説明でき、発展的な問題を解くことができる音波に関わる現象について基本的な問題を解くことができる音波に関わる現象について理解できない
評価項目2光波に関わる現象を理解・説明でき、発展的な問題を解くことができる光波に関わる現象について基本的な問題を解くことができる光波に関わる現象について理解できない
評価項目3さまざまな物理量を微分積分を用いて説明し、計算できる基本的な物理量を微分積分を用いて計算できる基本的な物理量を微分積分を用いて記述できない
評価項目4微分方程式を用いて運動方程式を立て、その解を求めることができる微分方程式を用いて運動方程式を立てることができる微分方程式を用いて運動方程式を立てることができない
評価項目5回転運動に関わる物理量を理解・説明でき、それを計算できる回転運動に関わる物理量を計算できる回転運動に関わる物理量について理解できない

学科の到達目標項目との関係

工学基礎知識 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
応用物理1では、前半で波動の続きとして音波と光波について学習する。後半では、質点の力学について微分・積分を用いた表現とその計算について学ぶ。最後に、回転についての物理量である角運動量と慣性モーメントについて新たに学習する。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を行う。前期は2年生で学んだ波動の内容を基礎として音波と光波に特化した部分を扱う。後期は、再び力学の内容に戻り、1,2年生で学習した種々の力学的な物理量の関係を微分や積分を用いて表現し、その計算を行う。また、単純な微分や積分のほか、運動方程式としての微分方程式の計算も取り扱う。回転運動についても微分および積分を用いて取り扱う。いずれも、講義の後に例題による演習を行う。
注意点:
事前学習:前期は物理2で学習した「波動」の知識をベースとするのでよく復習しておいてください。後期は微分・積分および微分方程式の知識が必要となるのでその分野の数学についてよく復習しておいてください。
この単位を修得せず進級した場合、評点が40点以上であれば進級した年度において単位追認試験(1回)を受けることができます。

本科目の区分

Webシラバスと本校履修要覧の科目区分では表記が異なるので注意すること。
本科目は履修要覧(p.9)に記載する「④選択科目」である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、音波の基本(速さ、三要素、反射、屈折) 1
2週 音波の回折、干渉、うなり 1
3週 弦の固有振動 1
4週 気柱の固有振動、共鳴 1
5週 ドップラー効果1(音源移動) 1
6週 ドップラー効果2(観測者移動) 1
7週 中間試験 1
8週 答案返却、光波の基本(速さ、反射、屈折) 1,2
2ndQ
9週 光の回折・干渉1(ヤングの実験) 2
10週 光の回折・干渉2(回折格子、薄膜による干渉) 2
11週 光の回折・干渉3(ニュートンリングほか) 2
12週 光とレンズ 2
13週 レンズによる像 2
14週 レンズの式 2
15週 期末試験 2
16週
後期
3rdQ
1週 位置・速度・加速度1(直線運動) 3
2週 位置・速度・加速度2(平面運動) 3
3週 仕事と仕事率1(保存力) 3
4週 仕事と仕事率2(非保存力) 3
5週 位置エネルギー 3
6週 運動エネルギー、力積と運動量 3
7週 中間試験 3
8週 答案返却、運動方程式(微分方程式) 4
4thQ
9週 微分方程式の解き方1(空気抵抗のある運動) 4
10週 微分方程式の解き方2(ばねのついた運動) 4
11週 微分方程式による解法演習 4
12週 力のモーメント、角運動量 5
13週 角運動量に対する運動方程式 5
14週 慣性モーメント 5
15週 期末試験 4,5
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3後1
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3後1,後2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3後2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3後1,後2
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
慣性の法則について説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3後9,後10
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3後9,後10
運動の法則について説明できる。3後9,後10
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後6
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後5
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後5
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後3,後5,後6
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後6
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3後6
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3後5
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後5
力のモーメントを求めることができる。3後12
角運動量を求めることができる。3後12
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3後12,後13
波動弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3前3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3前4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3前3,前4
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3前5,前6
自然光と偏光の違いについて説明できる。3前11
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3前8,前9,前10
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3前10,前11
物理実験物理実験波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前2,前3,前4
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前11,前12,前13,前14

評価割合

試験課題提出相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000