情報処理1

科目基礎情報

学校 弓削商船高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 情報処理1
科目番号 0018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 適宜プリントや課題を配布、教養としてのデータサイエンス(北川源四郎/竹村彰通ほか,講談社サイエンティフィク)、参考教科書:ITって、何?(佐藤知一/串田悠彰、未来生活研究所)
担当教員 串田 悠彰

到達目標

情報処理の基礎知識について学び、本校のネットワーク設備を用いた演習を行う。
インターネットについても、その基礎を学ぶ。
その目標として、情報処理の知識を社会生活に活用できることを目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
IT(情報技術)とは何かを理解する。充分に説明できる。曖昧だが説明できる。説明できない。
コンピュータの歴史、ハードウェア、論理演算、インターネット等の情報処理の基礎知識を理解する。充分に説明できる。曖昧だが説明できる。説明できない。
情報セキュリティの基礎知識を理解した行動をとれる。自分から率先して情報収集を行い、安全な行動を周知できる。指摘されたら危険性が理解でき、今後の行動を改めることができる。指摘されても危険性を理解できず、行動を改めない。
コミュニケーションチャンネルの特性を理解し、適切な情報伝達能力を獲得する。目的に応じてコミュニケーションのチャンネルやスタイルを使い分けることができる。助けを借りて操作できる。助け無しでは操作できない。
OSおよびソフトウェア(電子メール、文書作成、表計算、プレゼンテーション等)の利用方法を体得する。自分で調べながら操作できる。助けを借りて操作できる。助け無しでは操作できない。
本校独自のネットワーク設備、情報システムの利用方法を理解する。他の人に教えることができる。助けを借りて操作できる。助け無しでは操作できない。
ITの知識を社会生活に適用できる。自分で調べながら目的を達成できる。助けを借りて与えられた目的を達成できる。助け無しでは何もできない。

学科の到達目標項目との関係

専門 A1 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
情報処理の普遍的な基礎知識について学ぶ。特に以下の5点を重視する。
①IT(情報技術)とは何かを理解する。
②コンピュータの歴史、ハードウェア、論理演算、インターネット等の情報処理の基礎知識を理解する。
③情報セキュリティの基礎知識およびコミュニケーションチャンネルの特性を理解し、適切な情報伝達能力を獲得する。
④OSおよびソフトウェア(電子メール、文書作成、表計算、プレゼンテーション等)の利用方法を体得する。
⑤本校独自のネットワーク設備、情報システムの利用方法を理解する。
本科目の履修により、本校のディプロマポリシーにおける「機械を制御する情報工学の幅広い知識と技術および豊かな教養と倫理観を身につける」能力を習得する。
授業の進め方・方法:
座学およびコンピュータを使った演習の両面から講義を進める。
・概要①②③については、座学を中心に行い、試験を以て評価を行う。
・概要④⑤については、演習を中心に行い、演習実施や課題提出、受講態度を以て評価を行う。
注意点:
・定期試験を50%、実技(演習参加・課題提出・受講態度等)を50%で評価を行う。講義妨害・怠慢に対して実技の減点を行う。
・各時期での成績評価については、本校eラーニングシステムの該当コースの「成績評価計算」を参考のこと。学習到達度に達しなかった学生には、課題提出等を考慮する。
・資格試験については必須ではないが、P検、情報処理技術者、CG-ARTS検定等の紹介を行う。
・資格取得は、最終成績評価時に、定期試験評価の不足を埋める形で以下の加点を行う(50点を上限とし、実技の評価対象にはならない)。
 ◆P検(ICTプロフィシエンシー検定):5級は10点、4級は30点、3級以上は50点とする。
 ◆情報処理技術者:ITパスポートは40点、情報セキュリティマネジメントおよびそれ以上は50点とする。
  (IT業界へ就職を希望する者は評価に拘らず、卒業までにより高度な資格の取得を目指してほしい。)
 ◆CG-ARTS検定:マルチメディアベーシックは50点、それ以外は各種10点とする。
  (対象領域と利用目的が狭く、広く浅く理解をしてほしい本講義の趣旨と離れているため、難易度は高いが低い加点とする。)
・資格取得については、検定書の確認を以て加点とする。後期期末試験前の最後の授業までに、検定書持参で申告すること。
・授業計画の「*」は、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)に対応した授業である。

実務経験のある教員による授業科目

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 【座学】なぜ情報処理を学ぶのか?
~ガイダンスと本校の環境~
・本講座を学ぶ意味を理解できる。
・本校のコンピュータシステムの概要が理解できる。
2週 【座学】ITとは何か?
~情報とデータ、その活用~
(*1-1. 社会で起きている変化)
(*1-2. 社会で活用されているデータ)
・情報処理の前提となる情報とデータの区別を理解できる。
・情報処理の歴史とその進化を理解できる。
(*1-1. 社会で起きている変化を知り、数理・データサイエンス・AIを学ぶことの意義を理解する。ビッグデータ、IoT、AI、生成AIを活用した新しいビジネス/サービスを知る。)
(*1-2. どんなデータ(1次データ、2次データなど)が集められ、どう活用(データのメタ化、データのオープン化など)されているかを知る。)
3週 【演習】人間とどのようにコミュニケーションするか?
~コミュニケーションの種類と特徴~
・人間同士のコミュニケーションの種類と特徴を理解できる。
・ビジネスコミュニケーションに求められる要素を理解できる。
4週 【演習】人間とどのようにコミュニケーションするか?
~電子メールやグループウェアの利用方法~
・電子メールやグループウェアの基礎的な使い方を理解できる。
・また、その際の注意事項を理解できる。
5週 【座学】過度の情報化によって人は何を失ったか?
~情報倫理と情報セキュリティ~
(*3-1. データ・AIを扱う上での留意事項)
(*3-2. データを守る上での留意事項)
・情報倫理と情報化社会の歴史の基礎を理解できる。
・情報セキュリティの基礎を理解できる。
(*3-1. データ・AIを利活用する上で知っておくべきこと。(倫理的、法的、社会的課題(ELSI)、など))
(*3-2. データを守る上で知っておくべきこと。(情報セキュリティの3要素(機密性、完全性、可用性)、サイバーセキュリティ、など))
6週 【座学】コンピュータとどのようにコミュニケーションするか?
~論理演算や進数変換~
・論理演算、各進数の相互変換と2進数の演算ができる。
・低級言語と高級言語の違いを理解できる。
7週 【座学】コンピュータはどのように進化してきたか?
~ハードウェアの歴史と進化~
・コンピュータの歴史、ハードウェアの基本構造を理解する。
・情報処理の歴史とその進化を理解できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 【演習】コンピュータで報告書を作成しよう
~文書作成ソフトの使い方~
・OSの基本操作、文書作成ソフトの起動と終了ができる。
・文書作成ソフトでの入力、校正、印刷等ができる。
10週 【演習】コンピュータで報告書を作成しよう
~文書作成ソフトの使い方~
・文書作成ソフトでの文章の修飾ができる。
・文書作成ソフトでの図表の挿入ができる。
11週 【演習】コンピュータで報告書を作成しよう
~文書作成ソフトの使い方~
・文書作成ソフトでの表題、章、節、項のスタイル設定ができる。
・文書作成ソフトでの目次を含む報告書の作成ができる。
12週 【演習】コンピュータでデータに基づく意思決定をしよう
~表計算ソフトの使い方~
・OSの基本操作、表計算ソフトの起動と終了ができる。
・表計算ソフトでのデータ入力、データ型の指定ができる。
13週 【演習】コンピュータでデータに基づく意思決定をしよう
~表計算ソフトの使い方~
・表計算ソフトの使い方の適・不適を理解できる。
・関数操作、セル参照の概念を理解し、利用できる。
14週 【演習】コンピュータでデータに基づく意思決定をしよう
~表計算ソフトの使い方~
・ピボットテーブルによるデータの集計・抽出・分類ができる。
・集計データから個別データへのドリルダウンができる。
15週 【演習】コンピュータでデータに基づく意思決定をしよう
~表計算ソフトの使い方~
・所与のデータのクレンジング、分類軸の設定ができる。
・ピボットグラフにより大量データから特徴を理解できる。
16週 成績周知
後期
3rdQ
1週 【座学】情報やデータは誰のものか?
~知的財産権と情報公開~
(*3-1. データ・AIを扱う上での留意事項)
・知的財産権との接し方の基礎を理解できる。
・情報公開時の知的財産権の扱い方を理解できる。
(*3-1. データ・AIを利活用する上で知っておくべきこと。(データ倫理:データのねつ造、改ざん、盗用、プライバシー保護、など))
2週 【演習】ウェブサイトを作成してみよう
~CMS(コンテンツマネジメントシステム)の使い方~
・HTTPとHTTPS、HTMLの基礎概念を理解できる。
・CMSの基礎的な使い方を理解できる。
3週 【座学】知られたくない情報をどう守るか?
~個人情報保護とデータ管理~
(*3-1. データ・AIを扱う上での留意事項)
(*3-2. データを守る上での留意事項)
・個人情報の意味と範囲について理解できる。
・データの取得や保管に関して必要な倫理を理解できる。
(*3-1. データ・AIを利活用する上で知っておくべきこと。(個人情報保護、忘れられる権利、オプトアウト、など))
(*3-2. データを守る上で知っておくべきこと。(匿名加工情報、暗号化と復号、ユーザ認証とパスワード、アクセス制御、など))
4週 【座学】ITは社会で何に使われているか?
~ITの進化と現実社会との一体化~
(*1-3. データ・AIの活用領域)
(*1-5. データ・AI利活用の現場)
・最近のIT技術動向について理解できる。
・現代社会を運営するうえでITが欠かせなくなってきたことを理解できる。
(*1-3. さまざまな領域(生産、消費、文化活動など)でデータ・AIが活用され、活用領域が広がっていることを知る。)
(*1-5. データ・AIを活用することによって、どのような価値が生まれているかを知る(データサイエンスのサイクル、データ・AI利活用事例紹介)。)
5週 【演習】AIとどのようにコミュニケーションするか?
~対話型AIシステムの使い方~
(*3-1. データ・AIを扱う上での留意事項)
・対話型AIへの基本的な指示の出し方を理解できる。
・対話型AIのつく嘘を避けるための方法を理解できる。
(*3-1. データ・AIを利活用する上で知っておくべきこと。(生成AIの留意事項))
6週 【演習】AIとどのようにコミュニケーションするか?
~生成AIシステムとの向き合い方~
(*1-4. データ・AI利活用のための技術)
(*1-6. データ・AI利活用の最新動向)
・各種生成AIの特徴と仕組みを理解できる。
・画像生成AIで必要な画像を作成できる。
(*1-4. データ・AIを活用するために使われている技術の概要(データ解析、データ可視化、AIとビッグデータなど)を知る。)
(*1-6. データ・AI利活用における最新動向(AI等を活用した新しいビジネスモデル、生成AIなど)を知る。)
7週 【座学】機械仕掛けの神に我々はどう祈るべきか?
~AIを巡る情報倫理とデジタルデバイド~
(*3-1. データ・AIを扱う上での留意事項)
・人類とAIの進化速度の差を知り、向き合い方について考慮できる。
・情報化社会に乗り遅れた人たちとどのように向き合いかを考慮できる。
(*3-1. データ・AIを利活用する上で知っておくべきこと。(AI社会原則))
8週 中間試験
4thQ
9週 【演習】コンピュータで研究発表しよう
~プレゼンテーションソフトの使い方~
・OSの基本操作、プレゼンテーションソフトの起動と終了ができる。
・プレゼンテーションソフトでのデータ入力、表示ができる。
10週 【演習】コンピュータで研究発表しよう
~プレゼンテーションソフトの使い方~
・研究発表の代表的な形式を理解し、作成順序を理解できる。
・タイトル、目次、文章、図表を適切に配置することができる。
11週 【演習】コンピュータで研究発表しよう
~プレゼンテーションソフトの使い方~
・プレゼンテーションソフトを使用した研究発表を実施できる。
12週 【座学】どうして専門家は尊重されないか?
~目的と手段の錯誤および要求と対応の不一致~
・研究の学術的価値と社会的価値が一致しないことを理解できる。
・研究の社会的価値が伝わって初めて評価されることを理解できる。
13週 【演習】スポンサーからの支援をとりつけよう
~プレゼンテーションソフトの使い方~
・プレゼンテーションを受ける相手の属性を想定できる。
・相手の属性に応じてプレゼンテーションのやり方を切り替えることができる。
14週 【演習】スポンサーからの支援をとりつけよう
~プレゼンテーションソフトの使い方~
・結論と価値、要求が分かりやすく表現できる。
・プレゼンテーション全体の論理矛盾を回避できる。
15週 【演習】スポンサーからの支援をとりつけよう
~プレゼンテーションソフトの使い方~
・プレゼンテーションソフトを使用した支援を要請できる。
16週 成績周知

評価割合

定期試験実技(演習参加・課題提出・授業態度等)合計
総合評価割合5050100
知識の基本的な理解50050
OS・オフィスソフトウェアの基本操作02020
ITを利用した初歩的な業務遂行能力02020
受講態度01010