材料学

科目基礎情報

学校 弓削商船高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 材料学
科目番号 0050 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 大学基礎 機械材料:門間改三(実教出版)
担当教員 串田 悠彰

到達目標

材料学では、機械材料の選定に必要な基礎的・基本的な理論の習得を目標とする。
主に、金属と合金に関する性質・種類・製法の基礎知識を学習する。
基礎・基本を習得することにより、機械の設計・製作に必要な材料の選択の能力を得ることを目指す。
また、学習により得られた知識を非専門家にも説明できるようになることを目指す。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
機械材料の種類や材料の評価方法、機械的性質を説明できる。機械材料の特徴を比較して説明できる。機械材料の基礎を説明できる。機械材料の基礎を説明できない。
金属の溶融・凝固、平衡状態図を説明できる。金属特性の特徴を比較して説明できる。金属特性の基礎を説明できる。金属特性の基礎を説明できない。
合金鋼・金属の表面処理に関する基礎・基本を説明できる。合金鋼・表面処理の特徴を比較して説明できる。合金鋼・表面処理の基礎を説明できる。合金鋼・表面処理の基礎を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

専門 A1 説明 閉じる
教養 D1 説明 閉じる
教養 D2 説明 閉じる
専門 E1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
金属材料を主に、機械材料に関する基礎知識を養う。
ものづくりにおいて、製品の使用方法を十分理解し、その上で、最適な材料を決めなければならない。
その最適と考えられる材料の選択を可能にする基礎的な知識を学ぶ必要がある。
つまり、機械の設計・製作に必要な材料の選択、取扱い能力を有することに専念する。

本科目の履修により、本校のディプロマポリシーにおける「機械を構成する材料の物性など、幅広い知識と技術を身につける」能力を習得する。
授業の進め方・方法:
・講義は次の5つのパートにより構成される。
 ①前回のふりかえり
 ②材料学における該当講義の立ち位置と要点の説明
 ③各要点の詳細説明
 ④立ち位置と要点の再確認
 ⑤理解度の確認と講師へのフィードバック
・各講義は、本講義指定の教科書と講師が用意するプレゼンテーション資料を中心に進める。
・特に、理解度を高めるため、学生が教師役となって「前回の講義で学んだことを非専門家に説明する」という機会を多用する。
注意点:
・評価に関しては、期末試験・発表・出席状況・講義受講態度により行う。内訳は評価割合を確認のこと。
・期末試験について、初回講義で出題範囲を提示する。各講義に参加しなくとも単位取得可能であるが、参加しておくことを推奨する。
・発表について、「前回のふりかえり」での教師役実施と相互評価により加点する。
・出席状況について、「理解度の確認と講師へのフィードバック」の提出を以て加点する。
・講義受講態度について、講義の妨害や参加意欲の減退をもたらす行動に対して注意を行う。改善されない場合は減点する。
・不明点がある学生は、「講師へのフィードバック」で早めに知らせること。

実務経験のある教員による授業科目

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 なぜ材料学を学ぶのか?
~ガイダンス~
本講座を学ぶ意味を理解できる。
本講座で学ぶ対象と範囲を理解できる。
2週 なぜ材料に様々な分類があるのか?
~材料の種類と分類~
材料の種類と特徴を理解できる。
材料の用途別の特性を理解できる。
3週 なぜ材料に様々な分類があるのか?
~材料の種類と分類~
4週 良い材料とはどのようなものか?
~材料の性質と評価~
材料の機械的性質と評価方法を理解できる。
5週 良い材料とはどのようなものか?
~材料の性質と評価~
6週 材料はどのようにして供給されるか?
~材料の製造工程~
金属材料の製造工程を理解できる。
非金属材料の製造工程を理解できる。
7週 材料はどのようにして供給されるか?
~材料の製造工程~
8週 中間試験
2ndQ
9週 混ぜ物は悪いことか?
~純金属と合金、その状態図~
金属の溶融・凝固のメカニズムを理解できる。
代表的な合金の平衡状態図を理解できる。
10週 混ぜ物は悪いことか?
~純金属と合金、その状態図~
11週 同じ物質なら同じ性質になるか?
~金属の強化メカニズム~
代表的な金属の結晶構造を理解できる。
金属材料の各種の強化方法を理解できる。
12週 同じ物質なら同じ性質になるか?
~金属の強化メカニズム~
13週 同じ物質なら同じ性質になるか?
~金属の強化メカニズム~
14週 どんな状況でも同じ性能を発揮できるのか?
~材料の耐環境性能~
常温大気圧下以外の環境における材料の性質とそれらの環境に適した材料の性質を理解できる。
15週 どんな状況でも同じ性能を発揮できるのか?
~材料の耐環境性能~
16週
後期
3rdQ
1週 なぜ鉄は重要なのか?
~経済性という重要な視点~
鉄鋼材料の持つ物質的特徴と社会的特徴を理解できる。
2週 なぜ鉄は重要なのか?
~経済性という重要な視点~
3週 鉄と鋼はどう違うのか?
~組成ではなく組織が分岐点~
製鋼を理解できる。
鉄と鋼の組織の違いを理解できる。
鉄の状態図を理解できる。
4週 鉄と鋼はどう違うのか?
~組成ではなく組織が分岐点~
5週 どうすれば良い鉄鋼材料を作れるか?
~基礎編:鉄と炭と状態図~
鉄の状態図を理解できる。
6週 どうすれば良い鉄鋼材料を作れるか?
~基礎編:鉄と炭と状態図~
7週 どうすれば良い鉄鋼材料を作れるか?
~基礎編:鉄と炭と状態図~
8週 どうすれば良い鉄鋼材料を作れるか?
~応用編:熱処理と表面処理~
材料の熱処理を理解できる。
材料の表面処理を理解できる。
4thQ
9週 どうすれば良い鉄鋼材料を作れるか?
~応用編:熱処理と表面処理~
10週 どうすれば良い鉄鋼材料を作れるか?
~応用編:熱処理と表面処理~
11週 鉄鋼材料に弱点はないのか?
~腐食と脆化~
ステンレス鋼と腐食について理解できる。
鉄鋼の低温脆性について理解できる。
12週 鉄鋼材料に弱点はないのか?
~腐食と脆化~
13週 どのように必要な形状を得るのか?
~材料の加工方法~
金属材料の加工コストについて理解できる。
代表的な塑性加工とそれ以外の加工方法について理解できる。
14週 どのように必要な形状を得るのか?
~材料の加工方法~
15週 どのように必要な形状を得るのか?
~材料の加工方法~
16週

評価割合

試験発表相互評価態度レポートその他合計
総合評価割合7010101000100
基礎的能力705500080
専門的能力05500010
態度・志向性(人間力)000100010
主体的・継続的な学習意欲0000000