機械要素設計実験

科目基礎情報

学校 久留米工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 機械要素設計実験
科目番号 0138 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 1. 3D-CAD/CAEソフトの操作方法に関するプリント2. 設計条件などに関するプリント3. 3次元CAD/CAE/CAMのオンラインマニュアルおよびプリント
担当教員 原田 豊満,中尾 哲也,田中 大,谷野 忠和

到達目標

前期:1.3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・デザイン・機械力学・振動工学分野の最適設計ができる。2.CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工ができる。3.材料強度および機械力学,加工学,デザインに関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。
後期:1.3次元CAD・CAEを用いて,熱流体分野の最適設計を行うことができる。2.CAEソフトの長所、短所を理解することができる。3.熱流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目13次元CAD・CAEを用いて強度・加工・デザイン・機械力学・振動工学分野の最適設計ができる。3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・デザイン・機械力学・振動工学分野の最適設計がある程度できる。3次元CAD・CAEを用いて強度・加工・デザイン・機械力学・振動工学分野の最適設計ができない。
評価項目2CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工ができる。CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工がある程度できる。CAMソフトによる手巻きウインチハンドルの加工ができない。
評価項目3材料強度および機械力学,加工学,デザインに関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。材料強度および機械力学,加工学,デザインに関する専門科目を試作品の設計、製作にある程度適用できる。材料強度および機械力学,加工学,デザインに関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できない。
評価項目43次元CAD・CAEを用いて,熱流体分野の最適設計を行うことができる。3次元CAD・CAEを用いて,熱流体分野の最適設計を行うことがある程度できる。3次元CAD・CAEを用いて,熱流体分野の最適設計を行うことができない。
評価項目5CAEソフトの長所、短所を理解することができる。CAEソフトの長所、短所をある程度理解することができる。CAEソフトの長所、短所を理解することができない。
評価項目6熱流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できる。熱流体に関する専門科目を試作品の設計、製作にある程度適用できる。熱流体に関する専門科目を試作品の設計、製作に適用できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期:3次元CAD/CAE/CAMによる手巻きウインチハンドルの設計・製作、破壊試験により、材料強度、加工学、デザインの理解度を高める。また運動解析や振動解析を通じて機構学、機械設計法、機械力学の理解度を高める(担当,原田,中尾)。後期:3次元CAD/CAEおよび3次元プリンタを用いて、熱流体の現象面、デザイン面から装置・機械要素の設計およびモデル作成を行い、モデルを実験・解析的に評価することで,熱流体分野の専門科目の理解度を高める(担当,流体,田中)。またITものづくりの知識と技能を修得する。
授業の進め方・方法:
(前期)CAD/CAEの使用方法説明後に,各自デザイン面と強度面から手巻きウインチハンドルの設計を行う。その後グループ毎に学生による評価を行ない,最優秀作品をCAM加工し破壊試験を行う。その改善設計までを評価する。また機械力学分野も同様に進める。すべての演習にレポートを義務付ける。(後期)前期と同様に進めるが、後期は熱流体の観点から最適な設計を行う。優秀作品を3次元プリンタにより造形し,検証試験を行って,設計を評価する。最後にグループ毎に解析・実験結果から設計について検討し,レポートとして提出する。
注意点:
演習および課題レポートの成績:80%
実験中の態度および実験への取り組み姿勢:20%
なお,演習課題ならびにレポートが未提出の場合には合格点を与えない。
評価基準:60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 設計上重要な材料強度評価について
2週 3D-CAD/CAEソフトの操作方法1
3週 3D-CAD/CAEソフトの操作方法2
4週 手巻きウインチハンドルの最適設計1
5週 手巻きウインチハンドルの最適設計2
6週 手巻きウインチハンドルの最適設計3
7週 グループディスカッション
8週 ディスカッション結果に基づく設計再検討
2ndQ
9週 CAM Worksを用いたハンドルの加工
10週 運動モデルの最適設計
11週 振動解析(1自由度から多自由度まで)
12週 振動モデルの最適設計
13週 振動モデルの実証試験
14週 手巻きウインチハンドルの破壊試験
15週 破壊試験結果に基づく設計検証
16週
後期
3rdQ
1週 CAE説明、外部流れ(球、円柱の抗力係数)
2週 風力発電機ローターの解析
3週 各自のモデル設計1(ブレード形状)
4週 各自のモデル設計2(ブレード周りの流れと出力)
5週 グループディスカッション
6週 モデル製作
7週 風力発電の風洞実験・評価1
8週 風力発電の風洞実験・評価2
4thQ
9週 内部流れ(多層平板内の熱伝導)
10週 内部流れ(多層円筒内の熱伝導)
11週 内部流れ(発熱体のある空間内の熱移動)
12週 外部流れ(物体周りの自然対流)
13週 外部流れ(物体周りの強制対流)
14週 実際の装置を用いた熱移動(解析)
15週 実際の装置を用いた熱移動(実験)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系製図CADシステムの基本機能を理解し、利用できる。3後9
熱流体フーリエの法則および熱伝導率を説明できる。2後9
平板および多層平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱抵抗を計算できる。2後9,後10
対流を伴う平板の定常熱伝導について、熱流束、温度分布、熱通過率を計算できる。2後9,後12
ニュートンの冷却法則および熱伝達率を説明できる。2後12,後13
自然対流と強制対流、層流と乱流、温度境界層と速度境界層、局所熱伝達率と平均熱伝達率を説明できる。2後12,後13
平板に沿う流れ、円管内の流れ、円管群周りの流れなどについて、熱伝達関係式を用いることができる。2後12,後13
分野別の工学実験・実習能力機械系【実験実習】機械系【実験実習】実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3後14
専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。2後15
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。2後15
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。2後15
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。2後15
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。2
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。2
共同教育共同教育高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が、企業及び社会でどのように活用されているかを理解し、技術・応用サービスの実施ができる。2
問題解決のために、最適なチームワーク力、リーダーシップ力、マネジメント力などを身に付けることができる。2
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などの必要性を理解できる。2
技術者として、生きる喜びや誇りを実感し、知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できる。2
技術者として、社会に対して有益な価値を提供するために存在し、社会の期待に十分応えられてこそ、存在の価値のあることを理解できる。2

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合01000000100
基礎的能力060000060
専門的能力040000040
分野横断的能力0000000