概要:
本科目では,主として,静力学の基礎知識および静定構造物の応力について理解し,計算できることを目的とし,以下の1~4に示す内容について実施する.
1. 静力学の基礎知識として,力とその単位,力の表示,複数の力の合成および分解,力のつり合い条件式,外力と反力,応力について理解し,計算する.
2. 静定構造物の応力として,構造物の種類,構造物の静定および不静定,トラス構造の解法,静定梁の応力算定,静定構造物の応力算定について理解し,計算する.
3. 構造物の崩壊につながる基本的な問題である構造物の安定・不安定,および,安定構造物の静定・不静定を,構造物の解法理論にもとづいて判定する.
4. 曲げモーメントによる変形を求めるためのたわみ曲線の微分方程式,および,モールの定理を理解し,梁のたわみやたわみ角を計算する.
なお,本科目では,SDGsの「9.産業と技術革新の基礎をつくる」に該当する.
授業の進め方・方法:
講義を中心として進行するが,ポートフォリオ点(20点)として,レポートを5課題(4点×5課題)実施する.レポートは後日返却するので,やり直しを行うこととする.試験(80点)は4回とし,各々100点満点で採点し,20点×4回として総合成績を評価します。なお,授業では,三角定規,物差し,そして電卓を使用する.毎時間持参すること.
注意点:
三角関数や四則演算での計算が中心となるが,微積分および簡単な微分方程式の計算ができることがのぞましい.また,構造力学で学んだ内容は,材料力学にも活用するとともに,鋼構造や鉄筋コンクリート構造を理解するためにも必要となる構造系の基礎的な科目である.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 構造 | 建築構造の成り立ちを説明できる。 | 4 | 前1,前4,前5 |
力の定義、単位、成分について説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前15,前16,後16 |
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前6,前7,前9,前15,前16,後16 |
骨組構造物の安定・不安定の判定ができる。 | 4 | 前5,前15,前16,後14,後16 |
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。 | 4 | 前4,前6,前7,前9 |
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。 | 4 | 前9,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後16 |
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後16 |
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前16,後5,後6,後7,後16 |
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。 | 4 | 前10,前11,前12,前13,前16,後5,後6,後7,後16 |
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。 | 4 | 前10,前11,前12,前16,後5,後6,後7,後16 |
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。 | 4 | 後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16 |
ラーメンやその種類について説明できる。 | 4 | 前9,前13,前14,前16,後5,後6,後7,後16 |
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。 | 4 | 前13,前14,前16,後5,後6,後7,後16 |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 4 | 前5,前16,後16 |